これもよく聞かれる質問です。
まず、退職後に加入する健康保険として以下の選択肢があります。
(※それぞれに加入要件を満たしていることが前提)
1.すぐに再就職する場合
①再就職先の健康保険(協会けんぽ等)に加入する
2.上記以外
①家族が加入している健康保険の被扶養者になる
②これまでの健康保険の任意継続に加入する
③国民健康保険へ加入する
(75歳以上の方は必然的に後期後継者医療保険加入)
1-①に該当する人は、選択の余地なくこれが適用になります。
次に2-➀に該当する人は、こちらを選択することになります。
この2つに該当しない方は2-➁と2-➂の選択となります。
標題の質問です。
まさに現制度下においては非常に多くの方が悩むポイントでもあります。
任意継続に加入するとこれまでの自己負担額に加え事業主負担分も自身で負担しなければならなくなる為、「すんなり任意継続を選択する」という心理にならないことは理解できます。
この問の模範解答としては、
ケースバイケースなので一概には判断できません。
正確に確認されたい場合は、市役所等に行って試算してもらうことをお勧めします。
ということになりますでしょうか。
それはあまりにも事務的な回答過ぎますので、以下、私の見解を述べます。
明確に国民健康保険の方がメリットがあると考えられる方以外は、一旦任意継続を選択することをお勧めします。
その理由としては、以下の通りです。
<理由①>
制度上おおかたの方が任意継続の方がメリットを受けやすい仕組みとなっている。
その仕組みとは
・任意継続はこれまでと同様扶養家族の数に関わらず同一の保険料であること。
・保険料は給与収入のみで決まり、給与収入以外の収入や家族の収入等は一切カウントされない。しかも標準報酬月額32万円が上限ライン(令和7年度)として設定され、年間の保険料は約46万円程で頭打ちとなる(協会けんぽの場合)。一方国民健康保険料(税)の上限は92万円で設定されている。
などがあります。
<理由②>
任意継続は、資格喪失後20日以内に申請しなければならず、それを過ぎてしまったら一切加入ができなくなる。
<理由③>
任意継続はいつでも脱退し国民健康保険に変更できる(2021年12月以前は途中脱退でず、2年間継続加入しなければならなかった)ことから加入にそれほど躊躇する必要がない。
私の結論としては、
一旦任意継続を選択した後、国民健康保険の方がメリットがあることをきっちり確認できた段階で、国民健康保険に切り替えるという対応が得策と考えます。
定年退職後に定職につかない方の中では、「退職した翌年に年間収入が下がるタイミングを見計らって国民健康保険に切り替える」という制度を熟知した方も少なからずいらっしゃるように思います。
以上、少しでも参考になりましたら幸いです。