業界コラム

雇用保険、新たにパートら加入へ 481万人、労働時間要件を緩和

厚生労働省は13日、雇用保険制度見直しに向けた報告書案をまとめた。雇用保険の加入要件である労働時間を現行の「週20時間以上」から「週10時間以上」に緩和し、新たにパートら約481万人を加入対象とする。育児休業明けに時短勤務をする人への給付制度も創設。近く決定し、2024年の通常国会に関連法案を提出する。

 厚労省が同日、報告書案を労働政策審議会の部会に示した。労働時間の要件は、周知期間を経て28年度に週10時間以上と改める。働き方の多様化を踏まえ、短時間労働者でも加入しやすくする。
【2023年12月13日 KYODO】

【当オフィスコメント】
政府は雇用保険の加入要件を「週10時間以上」(現行「週10時間以上」)の労働者に拡大を図る方向で検討を進めているとのことです。先に示した「育児時短就業給付(仮称)」との整合性を一定度考慮したものとも思われます。

しかしながら、今回の適用者拡大の理由に政府は「働き方の多様化への対応」をあげていますが、個人的にその理由でははなかなか腑に落ちません。

国の制度と言えども「一律に一定基準に基づき強制加入させる」のではなく、そろそろ一定度労働者に加入の選択権を与えるべき時代になっているのではないかと感じています。

そもそも「雇用保険」は労働者側にも保険料負担が生じる「保険制度」です。
したがって本来であれば「負担と給付」のバランスを考慮しつつ、労働者個々人に加入是非の選択権があってしかるべきです。

労働者の意識・ニーズ・価値感が多様化しているからこそ、それにマッチした制度(加入の判断も含め労働者が選択できる制度)へ変更していくべきと考えますし、そのことが「真の働き方の多様化」、ひいては「真の労働者の自律」に繋がっていくのではないかと考えます。

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