業界コラム

【労働新聞記事】就業規則の周知を否定 固定残業代と認めず 東京高裁

派遣会社でトラック運転者として働いていた労働者2人が未払い残業代の支払いなどを求めた裁判で、令和4年2月24日東京高裁は「運行時間外手当」などを固定残業代と認めた一審判決を変更し、同社に計380万円の支払いを命じた。
手当は就業規則で残業への対価と明示されていたが、周知が図られておらず、労働契約の内容にならないと指摘。通常の労働時間の賃金に当たるため、残業代が支払われていないと判断した。
同社は就業規則を額縁に入れ掲示していたと主張したが、同高裁は「かなりの厚さ(45枚)のあるものを額縁で掲げるのは不自然」と退けている。(一部抜粋)

 

上記判決は、就業規則の周知性を否定したことで、一部の手当を「固定残業代(割増賃金部分)」とは認めず通常の労働時間に対する賃金に当たるものと評価。当該手当が割増賃金の算定基礎に含まれるとみなされ、結果「未払いの割増賃金」の存在を認める判断を行いました。

本判決は、「就業規則については正しい方法での周知が必須」ということを教訓として示していると言えます。

RELATED POST