今回は2021年6月25日付の「労働新聞」記事からの引用です。
政府は6月15日、今後5年間の物流施策の指針となる「総合物流施策大綱(2021~25年度)」を閣議決定した。「担い手にやさしい物流」の実現をめざし、労働力不足対策の加速と物流構造改革の推進に取り組むとしている。
大綱では、生産年齢人口の減少により、トラックドライバーなど物流産業の労働力不足に拍車がかかると指摘。生産性が改善されずに労働力減少が続いた場合、「現状の物流サービスが提供不可能になることも予想される」と危機感を表明している。
そのため、物流従事者の働き方については、発荷主や着荷主を含む物流関係者全体で見直すべきとの考えを示した。
施策の方向性として、トラックドライバーの時間外労働の上限規制を遵守するために必要となる労働環境の整備を盛り込んだ。長時間に及ぶ荷待ちや契約にない附帯作業の削減に向けた商慣習の見直しに取り組むとともに、賃金水準の確保に向けた標準的な運賃の浸透や、長時間労働につながっている検品作業および荷役の分離を推し進める。
物流業界も典型的な「労働集約産業」であることから、今後の人材不足への対応には抜本的な物流システムの「構造改革」がまさに不可欠と言えます。
物流はまさに我が国経済の基盤を支える重要インフラである一方、そこで働くドライバーは従来から長時間労働が大きな課題となっていますので、改革にあたっては業界内の労働者に極度な負担が生じないよう注視していく必要性を感じています。